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2010,1月 追記
木灰コンニャク作りの要点
これまで4年間近く木灰コンニャクを作ってきて、何度も失敗をし、そのたびに”こんどこそ”と
思ってはじめても、また、つかみきれてない因子で失敗するという繰り返しでした。現状でも、たぶんまだ、
制御しきれない因子があると思い、心して毎回のコンニャク作りにあたっています。
以下、現在把握しているコンニャクつくりの要点をまとめてみました。ご参考に。
コンニャクの品質に影響する主な因子
1.灰汁をつくるための木の種類
灰汁の濃度、コンニャクの粘りや色あいに影響
2.木灰からとる灰汁の濃度
うすいと固まらない
3.コンニャク原料量と加えるべき灰汁の量の比率
原料コンニャク芋の量 対 灰汁の量 でよいのか、それとも、
ミキサー処理後の(芋+水)の量 対 灰汁の量 の比率でいけばいいのか
4。原料コンニャク芋の持つ水分量と、煮た後の粘り方
大きい芋ほど水分が多く、煮た後の粘りが少ない
5.上記4.と関連して、ミキサーかけのときに加える水の量
大きい芋の場合には煮汁もさらさらで、水の添加量は少ない
上記、1−5に対して行ってきたこと、
1.木の種類
しばらくはクヌギ単独でしたが、その後、タラ、竹、桑、山桜、ネム、欅のほか、それらの混合や
本当の雑木をテストしてみました。その結果、タラは灰汁が濁り、固まるものの中が黄色身をおび
煙の匂いが残る。竹は灰が嵩張り、他との比較は難しいですが、固まるものの、黒味をおび、これも
中が黄色がかっていました。雑木はこれも灰汁が赤黒く濁り、固まるものの、コンニャクが黒味をおび
匂いが残る。他は単独ではテストしていませんが、桑+山桜+ネム+欅(近くに豊富にあるもの)の混合で
テストし、クヌギの場合と同様の良い結果を得ました。
2.灰汁の濃さ
灰汁の取り方はこれまでの経験から絞り込んきました。うすいほうから濃い方へ。 その結果、現在では
木灰の種類によらず、
3.5kgの木灰から4升の灰汁をつくる
実際のやり方は以下のようです。
1)木灰つくり
まず、セメントブロックを横にしてで1m*2mくらいに敷き詰め、そのまわりにもブロックを縦に
並べて囲いをつくる。その中で対象の小枝を順次燃やしていく。1回あたりで、1抱えほのの小枝の束を
20−30束燃やす。直後は熾きが山盛り状態ですが、2−3日すると灰化して嵩が減少し、これを
ふるいで振るって炭を除き、2重のビニール袋の入れて保存する。このとき3.5kgごとにしておくと
便利。少なくと1年は使用可能。
2)灰汁作り(準備するもの:0.07mm厚手のクラフト紙、灰汁を受ける容器、灰のいる大きさのザル)
灰の量を見て、それより大き目にクラフト紙を切り、ザルにしき、その上に木灰を入れ、表面を平らに
しておく。それを、上に2本の木をわたしてザル置き場を作った受け容器の上にセットする。このとき
受け容器に、作る予定の灰汁の量のところに目印をつけておく。一方でたっぷりのお湯を沸かしておく。
そして、この沸いたお湯を少しずつ灰にかけていき、全体がしめり、灰の上に1cmくらいお湯が溜まる
ところまでお湯を入れる。初めは焼け石に水でどんどん吸収されるが、そのうち安定してくる。数分して
ぽたりぽたりくらいの速さで灰汁が落ち始める。1cmくらいいれたお湯が消え、灰が前面出たくらいで
次のお湯を初回と同様にして加える。これを繰り返しながら、下の受け容器中の灰汁の量に注意する
目印の少し手前で湯を加えるのをやめ、残りの灰汁の落下を待つと、ほぼ予定量の灰汁が取れる。灰汁は
そのまま1晩静置し、細かい濁りを沈殿させる。これを1升びんに移し、日付を入れて保存。これも
少なくとも1年は使用可能。
3.灰汁の添加割合
原料コンニャク芋の重さとの比率では失敗が多く、最近になって、ミキサーかけ後の(コン+水)の量との比率
で灰汁の量を計算しています。コンニャク芋の大きさで含有水分量が異なるためです。ただ、この方法でも
ミキサーかけのときに添加する水の量を細かく調整する必要があります。
灰汁の量(単位:CC)=(コン+水)の量(kg)*67
たとえば、(コン+水)15kgであれば、加えるべき灰汁の量は約1000cc(1L)となります。
4.
4.ミキサーかけの時間
コンニャク芋は、皮むき後1−2cm角のサイコロ状に切って、大なべの中にSUS容器を入れた2重鍋の方式で
煮ます。(焦げ付き防止)中のSUS容器にもブリキ板でフタをします。これで、1時間半煮ます。短いと固く、
長いと煮汁の粘度が高くなりすぎます。煮た後、ねばり具合に応じて水を加え、扱いやすくします。これをまだ熱い
うちに(50−60度)、固形分を入れて300cc前後づつミキサーかけしていきます。これからが問題です。
大きい芋を使ったときにははじめから勢いよく回り、水を足さなくても渦巻きは数十秒続きます。水を足せばもっと
長く回せます。一方、小さい芋の場合には、初めから回りにくく、はじめから水を足してやる必要があります。
この現象を無視して、ミキサーかけ時間を一定にすると(当初はそうでした)、大きい芋では柔らかすぎ、小さい芋
では固すぎるということになります。そこで、現在の方法は、1kg以下の小さい芋を原料とする時には水を加え
20から25秒渦巻きが起きるようにミキサーかけし、2kg以上の大きい芋の場合には初めの固形分の量を多くし
10から15秒まわるように水をわずかに加える、という方法を採用しています。中間および混合の大きさのときも
ありますがそこは勘です。(このようなとき失敗がでます)
なお、ミキサーかけ後の(コン+水)とした後でも水の量を足すことはできますが、固さの判断は勘に頼るしかなく
むずかしいものです。多過ぎた水分はどうしようもないと思います。
以上が現状で採用している方法です。
このほか、09年製造から灰汁のロットごとの少量の先行試験を実施し、灰汁による失敗が回避できるよう工夫
しています。
コンニャクつくりの工程図をみると簡単なように思いますが、実際に品質の安定したものをつくり続けようとすると
なかなか大変なものです。当初は、石臼豆腐より簡単かと思いましたが、実際には、こちらの方が、制御しなければ
ならない、決定的な因子が多く、難しい、奥が深いのかも知れません。
コンニャクつくりの最終段階、ゆでて、ふくらんで、たたいてポコンポコンとなったら出来上がり!
冷やすとまた縮まって↓のようになる。
草木、落ち葉堆肥だけで育てたコンニャク芋と
クヌギ灰汁(あく)から作ったコンニャクです
☆刺身コンニャクが最高☆
山がちな産山の里での大豆作りは大変なものでした。
種播きと発芽直後には野鳩に荒らされ、それを生き延びると今度は野兎に食い荒らされ、
さんざんでした。でも、こんにゃく芋は大丈夫でした。
ただ、水酸化カルシウムのような薬品を使わないで、
いわゆる灰汁(あく)を使って作る方法が分かりません。
ところが、幸いにもここ産山の里にはこの伝統的なこんにゃく作りが残ってました。
この辺りはクヌギを使ったしいたけ作りが盛んな所で、そのクヌギから取った灰汁を使う方法です。
そこで、早速、近くのおばあさんにご足労願って、
我が家で育てたこんにゃく芋を使って、こんにゃくの作り方をご教授頂きました。
その時のこんにゃくの味は今まで味わったことない風味と、歯ごたえのあるおいしいものでした。
これで作り方は分かったのですが、肝心の灰汁の取り方(濃度のようなもの)、
こんにゃく芋の量に対する灰汁の割合、
また、固さを調節する水の量についてはおばあさんの感覚的なのもで、定量的なものがありません。
そこでクヌギの小枝集めからはじめ、何回か試作を重ね、
ようやく刺身用こんにゃくに適した量的条件を見つけました。
固すぎず、柔らかすぎずにできたこんにゃくの薄切りは、
新鮮な白身魚のさしみのような歯ごたえとしっかりしたこんにゃくの風味を味わえます。
あのごつごつしたこんにゃく芋からこんなおいしいものができるかと思うと不思議な気がします。
原材料
★コンニャク芋(無農薬、自家産4〜5年もの)★
★クヌギ灰から作った灰汁(あく)★
作り方:
コンニャク芋を洗って皮むき
↓
3〜5cm角に切って煮る(一時間くらい)
↓
ミキサーでペースト状に
↓
水を加え硬さ調節
↓
灰汁を混合
↓
成形後湯に入れて煮る(30分くらい)
↓
冷却
↓
木灰コンニャク
(7時間/25個/350g)
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