○阿蘇広域行政事務組合消防通信規程
昭和63年4月1日
規程第26号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 通信統制(第5条・第6条)
第3章 通信施設(第7条)
第4章 通信員(第8条―第10条)
第5章 有線電話(第11条―第16条)
第6章 無線電話(第17条―第29条)
第7章 雑則(第30条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は、法令又は別に定めるもののほか、消防通信(以下「通信」という。)について必要な事項を定め、常時又は災害時において通信機能を充分に発揮することにより、消防隊の合理的運用を図ることを目的とする。
(通信指令室の設置)
第2条 通信の総統轄をするため、消防本部に通信指令室を置く。
(通信指令室の任務)
第3条 通信指令室は、予防警防課長の指揮下に置き、通信係が通信を統制運用して、消防業務の円滑な推進を図ることを任務とする。
(用語の意義)
第4条 この規程の用語は、次の各号に定めるところによる。
(1) 消防通信 火災、水災、救急活動又はその他の災害(以下「災害等」という。)の通報、指令、現場速報、情報通報及びその他の通信をいう。
(2) 災害通報 災害が発生し、又は発生のおそれがあると認められるとき、当該災害等について消防本部、各署所に急報される通信をいう。
(3) 指令 指令室から災害通報に基づき消防隊、救急隊及び救助隊(以下「消防隊等」という。)の出場命令を発する通信をいう。
(4) 現場速報 災害等の現場から状況等について通信指令室に発せられる通信をいう。
(5) 情報通報 火災情報又は気象通報等を各署所に発する通信をいう。
(6) 通信員 通信指令室で通信指令勤務に従事する消防吏員をいう。
第2章 通信統制
(通信統制)
第5条 通信は、その内容の緩急重要度により次のように取扱いを統制し優先順位の通信は、原則としてその他の通信を中断して通信することができる。
(1) 通信の種別
ア 非常通信
災害通報、指令、現場速報、応援要請、応援出場指令の通信とする。
イ 連絡通信
情報連絡の通信とする。
ウ 普通通信
(2) 通信の優先順位
ア 非常通信の順位
災害通報、指令、現場速報、応援要請、応援出場指令とする。
イ 連絡通信は、非常通信以外の通信に優先する。
(非常災害時の通信統制)
第6条 非常災害時において通信施設を最高に活用し災害処理の緊急な通信を確保するため、必要と認めるときは消防長又は予防警防課長、消防署長は通信統制を指令することができる。
2 前項による通信統制が行われた場合は、指揮命令及び報告等の通信はきわめて簡明にし普通電話にあっては必要最小限に止めなければならない。
第3章 通信施設
(通信施設)
第7条 通信施設は、次のとおりとする。
(1) 「報知電話」とは、加入電話等利用規程に規定する特殊電話のうち消防通報用電話をいう。(119番)
(2) 「消防専用電話」とは、消防本部及び各署所等の間における連絡を行う一般加入電話で、一般に番号を公開していない電話をいう。
(3) 「加入電話」とは、日本電信電話株式会社の一般加入電話をいう。
(4) 「無線電話」とは、各署所に設置された基地局、消防用車両及びその他の車両等に積載された車載型陸上移動局及び携帯型陸上移動局(以下「移動局」という。)相互間で消防業務に使用する無線電話並びに各署所に設置された固定局相互間で消防業務に使用する無線電話をいう。
第4章 通信員
(通信員の遵守事項)
第8条 通信員は、次の各号を遵守しなければならない。
(1) 災害時の状況を迅速的確に把握し、災害活動に関する必要な指令、消防隊等の効率的運用並びに情報の収集又は伝達を行い、災害等活動に効果をあげること。
(2) 呼び出し信号のあったときは速やかにこれに応じ迅速正確を旨とすること。
(3) 通話は簡潔を旨とし明瞭適正に行い、粗野にわたる言語等を慎しむこと。
(4) 通話を行う者は、相互にその所属及び氏名を告げること。
(5) みだりに所定の場所を離れないこと。
(6) 出場区分表、管内図等を常に整理しておくこと。
(7) 通信を盗聴したり、秘密に関する事項を他に漏らさないこと。
(8) 通信内容に自己判断による注釈を加え、又はその内容を独断で処理しないこと。
(9) 通信機器を災害等活動及びその他の消防業務以外の用に使用しないこと。
(通信員の精通事項)
第9条 通信員は、次の各号に精通しなければならない。
(1) 火災出場区分、管内全般の地名、地勢その他消防作戦上必要な事項を常に研究し熟知しておくこと。
(2) 常に消防隊等の現状把握をしておくこと。
(3) 通信施設の機能を熟知し、その操作に習熟すること。
(記録及び報告)
第10条 通信員は、勤務中取り扱った災害、通信機器等の異常の有無その他必要な事項は別に定めるところにより記録し上司に報告しなければならない。
第5章 有線電話
(災害通報)
第11条 災害通報を受信するときは、災害種別、場所、対象物名、目標、状況、その他必要な事項を確実に把握しなければならない。
(出場指令)
第12条 通信員は、災害通報を受信し、消防隊等を出場させる必要があると認めるときは、別に定める出場計画に基づき庁内放送により、又は関係署所に出場を指令しなければならない。ただし、調査等で出向中の消防隊等に対しては無線電話で指令するものとする。
2 消防専用電話による指令又は報知電話による通報に聴取不明の点がある場合は通話終了後直ちに必要な事項を照会すること。
(指令区分)
第13条 指令は、次の各号に掲げる区分により行うものとする。
(1) 火災指令
(2) 救急、救助指令
(3) 前2号以外の指令
(通信器材の点検)
第14条 通信員は、当務交替時に交換機、その他の通信器材の点検を実施し、必要事項の引継ぎをして交代するものとする。
(通信事項及び用語例)
第16条 有線電話による通信事項及び用語例は、次のとおりとする。
| 災害通報 | 出場指令 | |
種別 | 「火災」「救急」「怪煙()」等 | 火災、救急、救助、指令 | |
発信隊 | 「何署」「何分駐所」等 |
| |
現場及び目標 | 「何町○○、何附近」 | 左同 | |
覚知別 | 「119番」「加入電話」「かけ込み」 | 左同 | |
状況 | 「火勢」「建物等の状況」等 | 出場別 | 第○出場 |
終信 | 「以上」「了解」 | 左同 |
第6章 無線電話
(基地局の設置)
第17条 基地局は、本部にあっては通信指令室に、分署、分駐所にあっては、事務所内に設置する。
(移動局の設置)
第18条 移動局は、消防自動車、救急自動車、その他の車両に設置し消防長の指定する場所に配置する。
(運用責任者及び従事者)
第19条 阿蘇広域行政事務組合消防無線局運用規程(昭和63年規程第25号)第7条の規定による運用責任者は、常置場所の所属長とし、従事者は資格者とする。
(通信区分並びに優先順位)
第20条 消防無線の通信区分並びに優先順位は、次の各号のとおりとする。
(1) 至急通信
(2) 出場指令通信
(3) 災害連絡通信
(4) 訓練通信
(5) 普通通信
(6) 試験通信
(無線局の区分等)
第21条 無線局の種別、呼出し名称及び周波数の指定区分は、別表第1によるものとする。
(無線の開局閉局)
第22条 無線の開局及び閉局は、次に掲げるところにより行わなければならない。
(1) 基地局は常時、移動局は常置場所を離れるときから帰署(所)するまで開局しておくこと。ただし、長時間移動局を離れるときで、これに代るべき通信方法を講じ基地局の了解を得たときは閉局することができる。
(2) 基地局が障害等により送受信が不能のときは、その旨を各署所に有線電話で通報し、必要な措置をとらなければならない。
(無線通信の統制)
第23条 基地局は、無線通信の円滑な運用を期すため開局している移動局の通信内容を監視し、必要があるときは交信を抑制し重要通信に支障をきたさないよう努めなければならない。
2 無線通信は、固定局間又は基地局と移動局間の通信を行うことを原則とする。ただし、災害現場に出場した2局以上の移動局間で他局の通信を妨げないことが明らかなとき、又は基地局の承認を得たときは、この限りでない。
(通話試験)
第24条 基地局は、毎日1回以上各固定局及び移動局との通話試験を行わなければならない。
(通信機器の点検)
第25条 移動局無線機は、当務交替時に点検し必要事項を引継ぐものとする。
(無線業務日誌)
第26条 基地局には、無線業務日誌(様式第2号)を備え運用状況を記録するとともに必要書類の作成報告等を行わなければならない。
(無線業務日誌抄録)
第27条 予防警防課長は、無線業務日誌によって毎年1月から12月の期間ごとに、電波法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第14号)第41条に規定する無線業務日誌抄録(様式第3号)を作成し、地方電波管理局長あて提出しなければならない。
第7章 雑則
(目的外の使用禁止)
第30条 無線電話、有線電話等は私事に濫用してはならない。
附則
この訓令は、公布の日から施行する。
附則(平成3年規程第3号)
この規程は、公布の日から施行する。
別表第1(第21条関係)
種別 | 呼出名称 | 搭載車名 | |
本部・中部消防署 | 基固 | 阿消本部 |
|
移動 | 阿消 18 | 指令車(クラウン) | |
〃 17 | 救急工作車 | ||
〃 3 | 査察車(ランサー) | ||
〃 4 | 救急9号車 | ||
〃 11 | 防火広報車 | ||
〃 12 | 庁用2号車 | ||
〃 14 | はしご車 | ||
〃 15 | タンク車 | ||
〃 16 | ポンプ車 | ||
阿消救急 2 | 救急2号車 | ||
携帯(中部) | 阿消 111 | 阿消 602 | |
〃 112 | 〃 702 | ||
〃 113 |
| ||
〃 106 |
| ||
〃 107 |
| ||
〃 108 |
| ||
〃 109 | 5W | ||
携帯(本部) | 阿消 103 | 警防10W | |
〃 104 | 通信係 | ||
〃 110 | 5W | ||
|
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北部分署 | 基固 | 阿消北 |
|
移動 | 阿消北 1 | 指令車 | |
〃 11 | ポンプ車 | ||
阿消 13 | ポンプ予備車 | ||
阿消救急 1 | 救急1号車 | ||
〃 3 | 救急3号車 | ||
携帯 | 阿消 201 | 阿消 114 | |
〃 202 | 〃 115 |
中継所 | 基固 | 阿消 坂ノ上 | 産山村 小池野 |
〃 薄越 | 小国町 下城 | ||
〃 高森 | 蘇陽町 柳 |
南部分署 | 基固 | 阿消南 |
|
移動 | 阿消南 1 | 指令車 | |
〃 11 | タンク車 | ||
〃 12 | ポンプ車 | ||
阿消救急 4 | 救急4号車 | ||
〃 8 | 救急8号車 | ||
阿消 2 | 資材搬送車 | ||
携帯 | 阿消 301 | 阿消 116 | |
〃 302 | 〃 117 | ||
〃 502 |
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蘇陽分駐所 | 基固 | 阿消蘇陽 |
|
移動 | 阿消蘇陽 1 | 指令車 | |
〃 11 | ポンプ車 | ||
阿消救急 5 | 救急5号車 | ||
携帯 | 阿消 501 |
| |
〃 118 |
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野尻・草部分駐所 | 基固 | 阿消草野 |
|
移動 | 阿消草野 1 | 指令車 | |
〃 11 | ポンプ車 | ||
阿消救急 6 | 救急6号車 | ||
携帯 | 阿消 601 |
| |
〃 119 |
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産山・波野分駐所 | 基固 | 阿消産波 |
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移動 | 阿消産波 1 | 指令車 | |
〃 11 | ポンプ車 | ||
阿消救急 7 | 救急7号車 | ||
携帯 | 阿消 701 |
| |
〃 120 |
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備考 ・基地局・固定局 (9局) ・移動局(車載用 30局・携帯用 27局) ・周波数 市町村波 150.17MHz 県内共通波 153.53 MHz 全国共通波 150.73 MHz |
別表第2
通信方法
項目 | 通信方法 | 留意事項 | |||
呼出し | 普通電話の呼出し 1 自局の呼出名称 1回 2 から 1回 3 相手局の呼出名称(又は識別名称) 1回 至急電話の呼出し 1 至急(又は「5秒の一斉音」 1回) 2回 2 自局の呼出名称 1回 3 から 1回 4 相手局の呼出名称(又は識別名称) 1回 | 1 (通話開始前の注意) 通信を開始しようとするときは、他の通信に混信を与えないかどうかを確かめ、もし他の通信に混信を与えるおそれがあるときは、その通信が終了した後でなければ通信を開始してはならない。 2 (識別名称) | |||
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| |||
| 区分 | 内容 |
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各局 | 同一通信系を構成する無線電話局のすべてを呼出す場合 | ||||
各移動 | 同一通信系を構成する移動局のすべてを呼出す場合 | ||||
各隊 | 同一通信系を構成する移動局のうち災害出動中の移動局のすべてを呼出す場合 | ||||
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| |||
注、特定地域の無線電話局のすべてを呼出す場合は、識別名称に地域名を冠する。 3 (至急電話の優先取扱い) (1) 至急電話の通信は、普通通話の通信中に割り込んで行うことができる。 (2) 普通電話を通信中の無線電話局は、他の無線電話局が至急通話の通信を行うための呼出し、又は通信開始の要求を聴取したときは、ただちに普通通話の通信を中止するものとする。 | |||||
再呼出し |
| 呼出しを行っても相手局の応答がないときは、その呼出しを行った無線電話局は、10秒以上の間隔をおいてさらに2回呼出しを行わなければならない。それでもなお応答がないときは、1分以上経過した後でなければ再び呼出しを行ってはならない。ただし、他の通信に混信を与えるおそれがないと認められる場合又は至急通話の送信を行う場合はこの限りでない。 | |||
呼出しの中止等 | 混信を与える無線電話局の呼出名称が判明している場合 1 混信を与える無線電話局の呼出名称 1回 2 しばらく待て 1回 混信を与える無線電話局の呼出名称が不明の場合 1 しばらく待て 1回 | 自局の呼出しが他のすでに行われている通信に混信を与える旨の通知を受けたときは、ただちにその呼出しを中止しなければならない。 | |||
応答 | 統制局(通信指令室)が普通通話の呼出しに対して応答する場合 1 相手局の呼出名称 1回 2 どうぞ(又は「しばらく待て」) 1回 統制局(通信指令室)が至急通話の呼出しに対して応答する場合 1 至急 2回 2 相手局の呼出名称 1回 3 どうぞ 1回 | ただちに受信できない場合は、「どうぞ」に代えて「しばらく待て」を送信する。 | |||
応答 | 統制局(通信指令室)以外の無線電話局が普通電話の呼出しに対して応答する場合 1 自局の呼出名称 1回 2 です 1回 3 どうぞ(又は「しばらく待て」) 1回 統制局(通信指令室)以外の無線電話局が至急通話の呼出しに対して応答する場合 1 至急 2回 2 自局の呼出名称 1回 3 です 1回 4 どうぞ 1回 | 同上 | |||
不確実な呼出しに対する応答 | 1 自局の呼出名称 1回 2 です 1回 3 さらに 1回 4 どうぞ 1回 | 1 自局に対する呼出しであるが、呼出しを行った無線電話局の呼出名称が不明である場合は応答するものとする。 2 自局に対する呼出しであることが明らかでない呼出しを聴取したときは、それが反復され、かつ、自局に対する呼出しであることが判明するまで応答しないものとする。 | |||
通話の送信 | 1 ―通信事項― 2 どうぞ | 1 通話の送信の速度は、日常の会話における速度を標準とする。 2 通話の送信が30秒以上にわたるときは、至急通話の割り込み等を容易にするため約20秒ごとに2、3秒間電波の発射を中止しなければならない。 3 通信の途中において相手局を1分間以上待たせる必要のあるときは原則としてその通信を一度打ち切り、他の無線電話局に通信の機会を与えなければならない。 4 統制局(通信指令室)は、出動指令等急を要する場合は、至急2回の送信に引継ぎ通話の送信を行うことができる。 5 急を要する通話であって相手局の受信が確実である場合は応答を待たずに呼出しに続けて通話の送信を行うことができる。 この場合、指令を受けた移動局の現場到着の報告及び引揚げをするときの通話等も含むものである。 6 呼出しに対する応答があった場合は、相手局から「しばらく待て」の送信があった場合を除き、ただちに通話の送信を行わなければならない。 | |||
通話の解信 | 受信局が単数の場合 1 了解 受信局が2以上の場合 1 自局の呼出名称 1回 2 了解 1回 | 1 通話を送信したときは、折り返し解信を行わなければならない。 2 受信局が2以上ある場合は、移動局にあっては、呼出符合の数の少ない本署から出張所の順とし、固定局及び基地局は、統制局(通信指令室)の指示により行わなければならない。 | |||
再送要求 | 1 さらに 1回 2 どうぞ 1回 | 通話内容が不明確な場合再送の要求を行うことができる。 | |||
解信の要求 | 受信局が単数の場合 1 了解か 1回 2 どうぞ 1回 受信局が2以上の場合 1 相手局の呼出名称 1回 2 了解か 1回 3 どうぞ 1回 | 通話の送信終了後約5秒以上経過しても受信局が解信しないときは解信要求を行うことができる。 | |||
通信の終了 | 1 以上 1回 2 自局の呼出名称 1回 | 通信の終了は、呼出しを行った無線電話局が送信しなければならない。 |
指令通信等の通信方法
項目 | 通信方法 | 留意事項 |
通信の開始 | 1 自局の呼出名称 1回 2 から 1回 3 相手局の呼出名称(又は識別名称) 1回 4 ―通信事項― 2回 | 1 統制局(通信指令室)の行う災害出動等の指令(救急出動をのぞく。)は、相手局の注意を喚起するため5秒の一斉音1回を送信するものとする。 2 この通信方法は、指令通信のほか、これに類する通信方法にも準用する。 |
通信の終了 | 1 以上 1回 2 自局の呼出名称 1回 |
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試験電波の発射方法
項目 | 通信方法 | 留意事項 |
試験電波の発射方法 | 1 自局の呼出名称 1回 2 ただいま試験中 1回 3 本日は晴天なり(約10秒で一度切る) 数回 |
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