平成22年春号 血圧と降圧目標値
血圧とは?
血圧とは、心臓が血液を全身に送り出す際の圧力のことです。この圧力が基準値以上の状態が続く状態を高血圧といい、これが一般に言われる高血圧のことです。 自覚症状がない人は、知らないうちに高血圧が進行し、気づいたときには心筋梗塞や腎不全などの合併症を起してしまうことがあります。高血圧の怖さは、こうした合併症を起してしまうことにあります。
上と下、血圧を示すふたつの数字の意味は?
「上」は収縮期血圧(最大血圧)、「下」は拡張期血圧(最小血圧)といいます。心臓は、収縮と拡張を繰り返すポンプのような働きをすることで、血液を送り出しています。心臓が縮んだときには、血液が送り出され、血管に高い圧力がかかります。これが収縮期血圧(最高血圧)です。反対に、血液を送り出した心臓が拡張して、肺などから血液を吸い込みます。このときに血圧は最も低くなり、これを拡張期血圧(最低血圧)といいます。また、最大血圧と最小血圧の差を「脈圧」といいます。
降圧目標は、年齢や合併症の有無により異なります。(下表)
自分がどのくらい血圧を下げると良いか把握する事も大切です。
診察室血圧 | 家庭血圧 | |
---|---|---|
若年者・中年者 | 130/85mmHg未満 | 125/80mmHg未満 |
高齢者 | 140/90mmHg未満 | 135/85mmHg未満 |
糖尿病者 慢性腎臓病 心筋梗塞後患者 |
130/80mmHg未満 | 125/75mmHg未満 |
脳血管障害患者 | 140/90mmHg未満 | 135/85mmHg未満 |
注:診察室血圧と家庭血圧の目標値の差は、診察血圧140/90mmHg、家庭血圧135/85mmHgが高血圧の診断基準であることから、この二者の差を単純にあてはめたものである。
※日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2009」より抜粋
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