亜鉛華結晶釉(あえんかけっしょうゆう)のこと このたび展示している作品の貝殻のような模様は亜鉛の結晶です。 これらの結晶は焼成中に結晶の生成する温度を保持することで得られますが、 微妙な温度の違いなどでもその姿は変化します。他にも鉄やマンガンなど結晶化する鉱物が あります（有名な天目茶碗は鉄の結晶です。）が、亜鉛のように花のような模様に成長するのは珍しいといえます。 基本的に亜鉛の色は白色ですが、他の金属や鉱物を混ぜることで色を与えることが出来ます。 起源は古代中国で偶然的に焼成されたといわれますが、再現性に乏しかったようです. 欧米ではこの技法を使った様々な作品が創られていますが、日本ではわび・さびを 重んじる文化的嗜好もあってか、オリジナリティのある作品は少ないように思います。